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シネマカルチャーCinemaCulture NEWS|ホセ・ムヒカ








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「世界でいちばん貧しい大統領」ホセ・ムヒカ、元ウルグアイ大統領の生きざまに迫る、2本のドキュメンタリー映画が3月下旬と4月上旬、相次いで公開!
鬼才エミール・クストリッツァ監督が手がけた『世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ』と
日本人監督、田部井一真による『ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ』

■「世界でいちばん貧しい大統領」と共感を込めて呼ばれ、日本でもさまざまなメディアによって取り上げられたウルグアイの元大統領、ホセ・ムヒカ。 彼を追った2本のドキュメンタリーがこの春に相次いで公開。
一本は『パパは、出張中!』(85年)と『アンダーグラウンド』(95年)で2度のカンヌ映画祭パルムドールに輝く鬼才、エミール・クストリッツァ監督が自らインタビューアを務めながら制作した『世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ』。
そしてもう一本は日本のTV局ディレクターの熱い思いが込められた『ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ』。ホセ・ムヒカという同じ人物を対象にしながら、あわせて観るとより理解が深まる、それぞれに切り口の異なる作品になっている。                      (2020年3月26日 記)


『世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ』 2020年3月27日(金)からヒューマントラストシネマ有楽町ほか

■ホセ・ムヒカ元ウルグアイ大統領が最初に世界から注目されたのは、2012年ブラジル・リオデジャネイロで開催された「国連持続可能な開発会議」でのスピーチだった。ムヒカ氏は語った、環境破壊を招いている大きな要因は世のなかにに蔓延している消費至上主義だと。経済の発展はかならずしも人びとを幸せにはしないという持論が大きな注目を集めた。彼は2010年に大統領に就任したときからすでに、自身の給与の多くを寄付にまわして清貧な暮らしを実践していた。
そんな彼を敬愛し、2014年からカメラを回し始めたのがクストリッツァ監督。映画では監督自らによるインタビューに加えて、左翼ゲリラとして独裁政権と闘い、長きにわたり獄中生活を送ってきた若き日のムヒカ氏の姿も紹介される。またその活動のなかで知り合い、のちに正式な妻となる同志ルシア・ㇳポランスキーさんとの愛に満ちた半生も明かされる。これはふたりの男女のラブストーリーでもある。

■監督/出演:エミール・クストリッツァ 出演:ホセ・ムヒカ/ルシア・トポランスキー/エレウテリオ・フェルナンデス=ウイドブロ/マウリシオ・ロセンコフ
2018年アルゼンチン=ウルグアイ=セルビア(74分) 配給:アルバトロス・フィルム 原題:EL PEPE,UNA VIDA SUPREME
公式サイト:https://pepe-movie.com/  ©CAPITAL INTELECTUAL S.A, RASTA INTERNATIONAL, MOE


オバマ米元大統領(右)と会談中のホセ・ムヒカ元ウルグアイ大統領
写真左はこの映画の監督でインタビューアも務めたエミール・クストリッツァ監督(左)と談笑中のムヒカ元大統領。
写真右は若き日から左翼ゲリラとしてともに権力と戦い、歩んできたパートナーで政治的同士でもあるルシア・トポランスキーさんと。




『ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ』  2020年4月10日(金)からシネスイッチ銀座ほか

■2015年、フジテレビのひとりのディレクターが社命において、ムヒカ・ウルグアイ大統領にアポなし突撃インタビューを決行するところからこの映画は始まる。ムヒカ氏はそんな彼をやさしく迎えてくれる。ところが出来上がったものは当の田部井一真監督にとって満足のゆくものではなかった。そしてそこからほんとうのドキュメンタリーづくりが始まる。彼がいかにホセ・ムヒカという人物にのめり込んでいったかは、2016年に誕生した自身の息子に「ほせ」と名付けたところからも伝わってくる。
取材するなかで田部井監督は、ムヒカ氏の家の近くに日本人移民のひとたちがキク栽培の花農家として定住し、親しくしていたことを知る。日本と少なからず関りを持っていたムヒカ氏。そこからまた新たな視点をもってドキュメンタリーは膨らんでゆく。

■監督:田部井一真 出演:ホセ・ムヒカ/ルシア・トポランスキー 2020年日本(98分) 配給:KADKAWA  
©2020「ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ」製作委員会



広島原爆ドームを訪れたホセ・ムヒカ&ルシア・トポランスキー夫妻
写真左は東京の浅草雷門にて。右は自宅の畑で栽培した花を、取材中の田部井一真監督に贈るムヒカさん。


      


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